【就職氷河期世代】40代50代の働き方と支援策 どうなる日本!

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「就職氷河期世代」という言葉を、最近ニュースやSNSで目にする機会が増えていませんか?

これは1990年代から2000年代初頭にかけて、バブル崩壊後の厳しい雇用情勢の中で就職活動を行った世代を指します。

現在、彼らは40代から50代となり、日本社会と企業の中核を担うべき年齢層にあたりますが、

正規雇用を得られなかった苦い経験やキャリア形成の壁に直面し、今なお不安定な状況に置かれている人も少なくありません。

本記事では、就職氷河期世代の現状をデータに基づいて明らかにするとともに、

都市部と地方における違いや社会・企業が直面する課題、そして政府・企業による支援策の最新事例を紹介します。

就職氷河期世代とは?

「就職氷河期世代」とは、1993年から2004年頃に新卒として就職活動を行った世代を指し、現在ではおおむね40代から50代前半の層にあたります。

この時期は、バブル崩壊の影響で企業の新卒採用が激減し、多くの若者が希望する就職を果たせず、

非正規雇用やフリーターとして社会人生活を始めました。

その後、景気が回復しても、就職の機会を逃したままキャリアの軌道修正が難しいまま、

現在に至っている人が少なくありません。

このことは、社会保険や年金のように、将来に大きく影響する問題として、大きくなっています。

日本全体が高齢化し、社会保障を受けることができない世代が、親の世代を介護する状態ともなれば、

さらなる問題と発展することも予想され、厳しい状況に拍車をかける事態ともなりえます。

データで見る氷河期世代の現状

厚生労働省や内閣府の調査によれば、2022年時点でこの世代の正規雇用者数は931万人と、

2019年の923万人からわずかに増加。

一方、非正規雇用者数は378万人から379万人へとほぼ横ばい。

不本意ながら非正規に甘んじている人は46万人から39万人へと減少したものの、

完全失業者は31万人から32万人へ、無業者は41万人から42万人へと微増しています。

安定した職を得られない人が一定数存在する実態が明らかになっています。

都市部と地方で異なる就労環境

都市部では、比較的キャリア形成の機会が多く、正社員登用制度や資格取得支援、

副業解禁など柔軟な働き方が進んでいます。

一方、地方では、産業の多様性に欠け、転職や再就職の選択肢が限られているため、

再チャレンジの機会が乏しいのが実情です。

加えて、地方の企業では年齢による採用制限が暗黙のうちに存在することも、

氷河期世代の再就職を難しくしている要因となっています。

社会問題としての位置づけ

40代・50代で就業していない状態は、経済的自立の難しさだけでなく、

精神的な孤立や社会との断絶にもつながりかねません。

特に、親の介護や自身の健康問題を抱える人にとっては、

再就職のハードルがさらに高くなります。

働く期間が短くなれば、将来の年金受給額にも影響し、

社会保障制度に対する負担の増大という形で社会全体に波及する恐れもあります。

ビジネス視点での再評価

企業においても氷河期世代は重要な存在です。

若手社員の離職率が高まる中、氷河期世代は長年会社に在籍し、

業務知識やノウハウを蓄積しています。

彼らを「現在の即戦力」として活用することは、企業の成長戦略にもつながります。

また、若手への指導役としても期待される存在であり、安定性と実行力を兼ね備えた

貴重な人材といえるでしょう。

政府と企業の支援策

政府は2019年から「就職氷河期世代活躍支援プラン」を展開し、正規雇用への転換支援や職業訓練、

就労体験支援を実施しています。

大阪府や愛知県などの自治体では、独自の再チャレンジ支援事業が進められています。

企業側でも、中途採用枠の設置やリスキリング制度の導入など、氷河期世代を支える取り組みが見られます。

また、2024年に政府が示唆した最低賃金引き上げの方針も注目されています。

これにより、非正規で働く就職氷河期世代の収入安定にも一定の効果が期待されており、

労働条件の底上げによって再チャレンジのハードルを下げる要因となるかもしれません。

まとめ:個人と社会が向き合うべき課題

就職氷河期世代の問題は、過去の社会現象ではなく、いまも続く現在進行形の課題なのです。

個人としてはスキルの見直しや学び直し、地域の支援制度の活用が必要です。

一方で、社会全体としても、年齢や学歴に縛られない柔軟な雇用制度の整備と、

再挑戦を当たり前とする企業文化の形成が求められます。

彼らの中には高い責任感と実直な労働意識を持つ人も多く、社会や企業が今の姿に目を向け、

そのポテンシャルを活かしていくことが、日本社会の再活性化へとつながる鍵となるでしょう。

最後まで読んで頂き、有難うございました。

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